牽引自動車第一種免許
 今回はこの牽引自動車第一種免許に挑戦してみることにしました。

この資格について

 運転免許の種類の一つで、車両総重量750キロ以上の被牽引車を牽引する際に必要となる免許です。牽引車と言えば、一般に大型トレーラーなどが連想され、大型免許じゃないと運転できないイメージがあるのか分かりませんが、牽引免許はあくまで、動力車でもって引っ張るためだけの免許なので、大型免許に限らず、普通自動車免許、中型自動車免許を取得していれば取ることができます。もっとも一般的には大型免許を取ってから牽引免許を取得する場合が多いみたいです。大型免許を取ってからと言うことで、大体需要としては、運送会社などで海上コンテナやタンクローリー等を運転するために取得というケースが多いと思いますが、一般家庭の場合でも、キャンピングトレーラーを運転するために取得というケースもあるそうです。

取得方法

 取得方法としては、大まかに運転免許試験場(いわゆる一発試験)で取るか教習所で取る(正確には教習所卒業で実技免除となり、免許試験場で適性検査のみ受ける)か2通りの方法があります。私は教習所で取る方法を選ぶことにしました。早速教習へ出向き入校手続きを済ませて、牽引教習がスタートしました。

教習を受けて

 牽引教習のカリキュラムは、普通・中型・大型免許持ちだと、1段階目:5時限、2段階目:7時限の計12時限となっています。また路上走行はなく、場内のみとなります。教習車両はトラクター(トレーラーヘッド)部分は、4tクラスのMT車が使われました。トラクター部分だけなら普通免許でも運転できますが、車体の大きさ・運転席の広さとか、中型免許の教習車両と変わらない感じでした。


《教習所の牽引車両》

 教習では、まず外周走行から始まりました。真っ直ぐ走行する分は何の問題もなく普通にこなせました。続いて、右左折、S字…内輪差を意識した走行とかなら、中型・大型教習である程度かじったので、こちらも大丈夫でした。

 外周走行を一通りやり終えて、方向転換をするよう言われました。牽引免許最大の課題と言われる方向転換。牽引免許は他の種類の免許と比べ、課題と言う課題は外周走行、S字、そしてこの方向転換ぐらいしかなく、全体的に非常に寂しい教習内容となっています。その代わりこの方向転換が非常に厄介な課題となっています。と言うのも、牽引車は真っ直ぐ走る分は普通車の感覚で運転して問題はないのですが、後進するとなると、普通車感覚の運転が通用しなくなってくるからです。例えば普通車の場合、ハンドルをまっすぐにしたまま後進すればそのまま真っ直ぐ後進しますが、牽引車の場合、台車の部分が必ず左右どちらかに反れていきます。また普通車の場合、ハンドルを切って後進すれば、切った方向に車体が後進していきますが、牽引車の場合、切った方向と逆の方向に車体が進んでいくことになります。また、ハンドルのさばき方によっては、台車が折れ過ぎてジャックナイフ現象を起こすことがあるので、牽引車で後進する際は、ハンドルを小刻みに回しながら、微調整して進ませたい方向に後進させていく技術が求められます。方向転換もコツさえ掴めば大して難しくはないのかもしれませんが、コツを掴むまでに随分長い時間の練習を要しました。方向転換中は後ろばかり見ていたので、首・背中周りが痛くなったりもしました。2段階目で2時間延長の末卒業検定を受けることができました。

 卒業検定では、右バックで方向転換をすることになりました。後進時、後輪が縁石の角とちょうどいい間隔・角度に来たのはいいものの、ハンドルを切る時、台車の曲げが甘かったらしく台車が流れてしまって、かなり左側へと寄ってしまいました。まあ何とか車体はまっすぐに入ったものの、下手すると脱輪したりポールに接触して検定中止になるところでした。ちなみに外周走行・S字は特に問題ない感じでした。方向転換で多少の不安があったものの結果は合格。暫くすると卒業証明書が交付されました。

教習を終えて

 早速時間があるときに免許試験場へ行きました。卒業証明書を持って免許試験場に行けば、技能試験免除で、適性検査(視力検査、聴力検査等)だけ合格すれば牽引免許を取得することができます。既に運転免許を持っているので他の種類の免許追加と言うことで併記申請手続きを行いました。ちなみにちょうど最近普通自動二輪免許の教習も卒業したことから、普通二輪免許も同時に申請してきました。2時間ほど待ってから新しい免許が発行されました。新しい免許は、昨今の個人情報保護の絡みからか、本籍の記載が消え、欄が空白となっていました。またICチップが導入されたためか、若干厚くなっていました(ちなみにICチップは外側からは見えない)。


 さて、今回は牽引免許を無事取得することができて良かったです。機会があればいつか牽引自動車第二種免許も挑戦できたらと思います。
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